仏様のお導きで、母が私を見つけてくれた!

西岡 恵さん(左)

3歳の時、大型スーパーで迷子に。母は不安から無意識のうちに「南無妙法蓮華経…」とお唱えしていた

 今から約23年前のことです。当時3歳だった私は、母に連れられて、近くのスーパーマーケットによく遊びに行っていました。そのスーパーは地上4階、地下1階建てで、地下からは地下鉄の乗り場へ行くことができる造りになっています。そして、2階にはベビー用品や子供服が売られており、フロアの中央には子供が遊べるキッズスベースが用意されていました。

 私は、その日も母に連れられて、キッズスペースで他の子供達に交ざって遊んでいました。母は私の様子を気にしながら、子供服のコーナーを見ていたそうです。しかし、母が少し目を離した隙に私は姿を消しました。辺りを探しても何処にもおらず、店員さんと手分けしてフロア全体を探しても、館内放を流しても一向に見つかりません。母は頭の中が真っ白になり、心臓の鼓動だけが頭に響きわたりました。気が付くと無意識のうちに「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」と御題目を唱えていたそうです。

何かに導かれるように、母はすぐに私を見つけてくれた

 そこからの母の行動は、本当に不思議なものでした。私は2階で迷子になりました。それなのに、母はエレベーターで全く関係のない地下に降り、そのままスーパーを出て駅へと走っていきました。切符も買わず、見た訳でもないのに駅員さんに

「今、娘がここを通ったので」

とひとこと伝え、ホームへと続く階段を駆け下りていったのです。

 すると、ホームに私がポツンと1人で立っていました。周りには誰もいません。母は大きな声で私を呼び止め、「(御宝前様ありがとうございます!)」と心の中でお礼を言って私を抱きしめました。

 少しして階段の上から駅員さんが降りてくると「おかしいな、子供が一人で通ったら気付くんだけどなぁ」と呟いたそうです。本当に不思議な出来事を体験しました。

 普通、子供というのは好奇心が強いものです。スーパーには子供が好きそうなおもちゃやお菓子売り場があります。それなのに何故、私はそういった子供が好きそうな場所ではなく、地下鉄のホームに一人でいたのか。幼かった私が、どうやってそこまで行ったのか。そして母は何故、子供が好きそうな場所を探さずに、まっすぐ地下鉄へ向かったのか。今でも私が地下鉄のホームにいた理由は分かりません。だけど、そのことも母の行動も、きっと御宝前様のお導きくださったものだと思います。

この出来事をきっかけに家族の絆、家族の信心が深まる

 もしもあの時、母が私を見つけてくれなかったら、私は今ここに居ないかもしれません。この出来事のお陰で、私たち家族は信心増進し、今があります。私はこの御恩を忘れず、少しでもお返しができるように、これからもご奉公を精一杯頑張らせていただきたいと思います。

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