簡単に言うとこんなお話
教化成就の祈願参詣に励ませていただくなか、会社のSさんから突然のメールが……
私は毎年一戸のお教化成就を目指して、朝参詣の折にご祈願カードを上げさせていただいております。昨年度はお教化必成を目指して精進させていただき、お陰様で成就させていただきました。今年は高祖ご降誕800年慶讃ご奉公結実の年、日地上人第37回御忌ご正当年です。今年も必成を期して、弘通年度が始まった昨年12月から祈願参詣に励ませていただいておりました。
昨年11月３日の文化の日のことです。会社が休みにもかかわらず、社員のSさんから突然私の携帯にメールが入りました。内容は
「今、会社にいるが体調が悪く寝込んでいます。自宅まで送ってもらえないか」
というものでした。
私はそのときちょうどご奉公が終わりお寺を出たところで、メールを見た私は慌てて会社へ向かいました。会社はお寺から車で15分程の所にあります。会社に到着し、Sさんの様子を見て
「救急車を呼びましょう」
と言いました。しかしSさんが
「自宅まで送ってもらいたい」
と言うので、自宅まで送り届けた後、私は帰宅しました。
Sさんに連れられ、実家を訪れるとそこには亡き母親のお骨が放置されていた
その後、Sさんにメールをし
「体調は如何ですか？」
と訊きますと、自宅に帰った後救急車で運ばれ、病院で精密検査の結果、大動脈解離と診断され、緊急手術となったとの由。手術は約６時間を要し明け方までかかり、病院に搬送されるのが少しでも遅かったら助からなかったそうです。
Sさんはその後無事に退院し、それから数カ月経った今年の５月、Sさんの実家に一緒についてきてほしいと言われました。
そのお家は６年前までSさんのお母さんが住んでいましたが、亡くなられた後は誰も住んでいませんでした。お家の仏壇にはお母さんの遺骨が置いたままになっていました。亡くなったお母さんは今年が七回忌に当たります。Sさんに確認しますと、お墓もなくどうすればいいのかわからず、そのまま放置していたとの事。
Sさんは私が日頃お寺に行っていることを知っており、もしかしたら私に遺骨を何とかしてもらいたいと思っているのではないか、これは御宝前のお導きだと、私は受け止めました。
清風寺での納骨とご信者になることを勧めると、快諾してくれた
その頃、お寺ではご信者にならなくても「結縁衆〔けちえんしゅ〕」となれば納骨ができるようになったとご披露があり、Sさんに伝えて手続きを進めていくことになりました。
しかし、一番はご信者になっていただいてご自身のお身体のこともご祈願されることですから、改めてSさんに
「清風寺でご信心してみませんか？」
とお勧めしたところ、快諾していただけました。
今回、このような予期せぬ御宝前のお導きをいただいてお教化が成就させていただけましたのも、毎朝のお寺参詣とご祈願の功徳のおかげだと、実感させていただきました。
