9月12日(日)の午前10:00から11:00まで、「龍口法難報恩口唱会〔たつのくちほうなんほうおんくしょうかい〕」を奉修させていただきました。御住職は他のご奉公の為ご不在で、代わりに執事長・江口淳節師が導師を勤められました。
収まらぬコロナ禍の中、大阪府の緊急事態宣言が9月末まで延長されたことを踏まえ、この度の口唱会は教務のみが清風寺本堂にて、ご信者の皆様は自宅にてオンラインによる参詣をさせていただく形態を取らせていただきました。
そもそも「龍ノ口御法難〔たつのくちごほうなん〕」とは…
文永8年(1271)9月12日、日蓮聖人は龍ノ口(たつのくち:現在の神奈川県藤沢市片瀬)にて斬首〔ざんしゅ〕の刑に処されます。
事の起こりは同年6月、日蓮聖人との降雨の祈願くらべに敗れた律宗の僧侶・良観が、幕府に対し「日蓮の厳しい他宗折伏は思想的・行動的に危険である」と讒訴(ざんそ:他人をおとしいれようとして、事実を曲げて言いつけること)したことが原因でした。これはまさに法華経に記された通り、末法に法華経の教えを弘める人間が受ける法難そのものでした。
しかし、日蓮聖人が処刑の座につかれると、鞠〔まり〕のような不思議な光り物が夜空を照らし、刀は二つに折れ、斬首の役人たちは恐れおののいて刑の執行が不可能になったのです。まさに諸天善神のご守護を頂戴されたのでした。
私たちがこんにち御題目のご信心をさせていただけるのは、そうした不退転の覚悟で命がけの御弘通ご奉公をされた日蓮聖人のおかげです。その報恩の意を込めて、毎年9月12日を「龍ノ口法難記念日」と定め、全国の寺院で口唱会などの行事が営まれるのです。