大学生活でつかんだかけがえのない信心

野上 優 さん

 約一カ月前、私は大学を卒業しました。「学生生活」は長いようで一瞬でした。普通に過ごすよりも面白いことをしたくて、たくさん挑戦をしてきました。今振り返ってみると、どんな経験もトータルで幸せだったなぁと感じられるのは常に御宝前のお導きがあり、見守っていただけたからだと言えます。 特にこの二年ほど、大きな出来事がありました。留学と就職活動です。

 大学三回生の時、フィンランドに留学をしました。様々な友だち、先生、現地の人たちに出会い、たくさんの宝物ができました。それと同時に共通言語だけでは超えられない「人」の壁にもぶち当たりました。初めての経験でたくさん泣きました。でも、いつまでもそんな子供ではいられない。御宝前にも「何にでも立ち向かっていきます。どうかお力添えをよろしくお願いします」と手を合わせ毎日学校に通いました。

 そんな試練を乗り越えて帰国したのも束の間、新型コロナウイルスが就職活動中だった私のところにもやってきました。緊急事態宣言、外出自粛、当然、就職活動も二カ月の停止を余儀なくされました。一週間に一時間ほど買い物へ行くくらいしか外出せず、誰とも喋らず、どんどん精神状態もおかしくなっていきました。命の危険をも感じた時、私は時間を忘れてとにかく御題目をお唱えしていました。

 そして、ある日ゼミの友だち、高校時代の友だちが「元気?」と声をかけてくれました。毎日のように誰かが声をかけてくれて、話をしてくれて、いつの間にか緊急事態宣言も明け、そこからはすんなりと就職先も決まりました。あの時期は「苦しい」以外何も感じていませんでしたが、今となっては御宝前から「強くなりなさい」と言われたように感じます。 今までの学生生活で「なんでこんなつらいことばっかり起こるんやろう」と思ったことは幾度となくあります。でも、その度に御宝前に手を合わせ御題目を唱える自分を振り返ってみて、それも強くなるための試練であり、「這い上がってきなさい、立ち上がってきなさい」との思し召しなのだなと感じます。

 私は現在、青年会奉仕部部長を務めさせていただいています。まだまだ分からないこともありますが、奉仕部を活性化させたくて、インスタグラムという写真と文章を投稿できる媒体での情報発信を始めました。奉仕部がどんなご奉公をするのか等、ご信者さんにはもちろんのこと、お寺に来たい方にも知ってもらえるように動いています。また、青年会本部は初めての試みとして、メッセージ通信アプリのラインで公式アカウントを立ち上げ、そこで青年会会員さんにご披露をしています。

 私は就職活動中「ピンチはチャンスです」という言葉をずっと使っていました。生活様式ががらりと変わり、正解のない今を生きる私たちには、何事も恐れずに挑戦していく力が大切です。どんな時でも私たちは這い上がり、止まることはありません。ピンチはチャンスです。そこに必ず御宝前からの正解がまっているから。

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