先日、新聞で次のような記事を読みました。
『野球しようぜ!』というメッセージとともに、大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が日本全国の小学校に贈ったグラブは、多くの子どもたちに野球に触れてもらうという目的があったのですが、効果はそれ以外にもあったそうです。
ある東京都内の小学校で、この“大谷グラブ”を使っての授業が行われました。この時、野球をしたことがある児童は数人だけだった。その子どもたちに何が楽しかったか尋ねると、ほとんどが「ボールを捕れたこと」と答えたそうです。
周囲も一緒に盛り上がったのは、ボールがグラブに収まるかを見届ける瞬間で、チャレンジして得た成功体験と、周りから褒められたことが喜びにつながっていたそうです。
この“大谷グラブ”を使っての授業を考案した6年生担任の先生は
「勉強など色んな競争の中にいる子どもたちは、自分たちのことをダメだと思ってしまうことがあります。色んな大人から教わり、時に褒められ、前向きになってほしい」
と語りました。
授業を受けた子どもの中には
「キャッチボールは気持ちが通じ合ったようで楽しかった。苦手な算数でとばしたくなる問題も、次はあきらめずに解いてみます」
と感想と今後の意気込みを述べました。“大谷グラブ”が、子どもたちの自信や前向きな姿勢を生むきっかけになったのです。
先生は
「授業のキャッチボールは、いわば新しいことをやってみる時間。(野球に限らず)自分のやりたいことを見つけたとき、そこでまたあきらめずにやってくれるとうれしい」
と願いを込めて語っていました。
“大谷グラブ”は国内の小学校約2万校に3個ずつ、合わせて約6万個が贈られました。ただ、うまく活用できずに校内に飾られたままの学校もあるといいます。
国内の小学校に配られた“大谷グラブ”が、こどもたちの気持ちが通じるツールとなり、苦手なことからも諦めないで挑戦していく勇気をもたらすという、思わぬ効果を生んでいます。
私たちのご信心を考えてみて、どうでしょうか。自分自身は挑戦をしているでしょうか。「ご信心を勧めたって、このご時世に無理だ」と諦めてしまってはいないでしょうか。
「ひと声かける」この実践が、御宝前の後押しをいただいて、妙不可思議な思わぬ効果を生むのです。今月は本年第2回目の教化促進月間、皆で挑戦をやめることなく邁進いたしましょう。