自宅の立ち退きと法灯相続のご利益

天王寺教区 所属 山中隆朗さん(仮名)

地上げ屋による脅しから一転、3〜4倍の立ち退き料で引っ越すことに

 私は愛媛県の八幡浜市に生まれ、中学卒業と同時に就職のために大阪へ出てきました。20歳の頃、天王寺区の伯母の家に住んで仕事をしていた時に、伯母に勧められて清風寺へお参りするようになりました。ご信心には大変厳しい伯母で、毎朝早く起きて自宅の御宝前のお給仕(お掃除やお初水のお供えなど)をしないと厳しくしかられたことをよく覚えています。その後、青年会でもご奉公させていただくようになり、妻の久子と青年会員同士で結婚、3人の子供に恵まれました。

 今から30年ほど前のことです。当時住んでいた長屋に、急に立ち退き話が出ました。すぐに地上げ屋が近所にも入り込み、我が家にも度々、暴力団のような輩がやってきては脅してくるようになりました。

 20数軒あった隣近所はどんどん立ち退いていき、1年半のあいだに残り5軒だけとなりました。地上げ屋の脅しも日に日にひどくなっていきました。

 このような時こそ、私は毎日御宝前に

「無事に地上げが収まりますように」

と一生懸命にご祈願を続けていたところ、「私には御法さまがついていてくださる」と思えるようになり、地上げ屋をあまり怖く感じなくなってきました。

 毅然とした態度で対話を続け、その中でご信心の話をしていると、地上げ屋は

「山中さん、あんたはええご信心しとるな」

と地上げ屋との関係性が不思議と良くなっていき、ご信心のご縁を結ぶまでにいたりました。

 その後、地元の議員の後押しも得て、地上げ屋とも話し合いを続けた結果、通常の3~4倍の立ち退き保証金をもらえるという、大変有利な条件で立ち退くこととなりました。

自宅での御講が奉修し易い理想の新居に出会う

 次は、新居探しです。

 自宅で教区総講(御住職御奉修による教区御講)を奉修した際にご信者が30人くらいお参りでき、また長屋から近くで現在所属の組の御奉公が変わらずできるような物件に出会えるよう、御祈願させていただいたところ、とある広告に目が留まりました。

 そこは、長屋から歩いて5分のところのマンションで、和室とリビングがつながった間取りで御講奉修にも向いている物件でした。

「これは、ご利益をいただいた」

と感じた私は、すぐにこの物件に決めました。

 立ち退きの保証金が増えたこともあり、それまでの貯蓄と合わせて、この物件を現金一括払いで購入できました。

 住んでみると、防音設備が素晴らしく、法要中の音が外に漏れることはなく、周りから苦情を言われることはありませんでした。当時、

「この家で、ご信心中心の生活を築いていきたい」

と、強くご祈願させていただきました。

結果、無事に子や孫が皆ご信心を受け継いでくれて幸せ

 その後、3人の子供達も結婚して独立し、今では孫も6人授かりました。薫化会の教区委員の御奉公を長くさせていただいていた妻と一緒に、法灯相続に力を入れました。

 ありがたいことに、子供と孫の全員がしっかりと法灯相続してくれており、青年会と薫化会の御講に、また御会式にも参詣してくれています。

 私が席主をいただく時の青・薫合同御講では、妻が手作りのカレーのご供養をふるまい、いつも楽しく御講が奉修されます。教区内でも「山中さん席のカレー」で有名になっています。

 週末になると、子供3家族が自然と我が家に集まり、食事を作って、楽しく過ごしてくれています。そこで子供や孫とご信心やいろいろな話ができていることが、法灯相続につながったと思います。

 最近は、長男の嫁が妻のご奉公を引き継いで、組長のお役をいただいてくれました。仕事や子育てに忙しい中、御講・お助行参詣や組内の奨引に奮闘してくれています。本当にありがたいことで、これ以上の喜びはありません。

 また、子供や孫たちに「財のご奉公と財のご利益」について何度も伝えてきたところ、子供たちはご奉公の足しとして、毎月金銭的な支援をしてくれるようにもなりました。

 最近は法灯相続が難しい中、子や孫に囲まれて御奉公させていただけて、本当にありがたく幸せに感じております。これからも、たくさんご利益をいただいた今の家を中心に、法灯相続を第一に御奉公させていただきたいと思います。

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