本門佛立宗(ほんもんぶつりゅうしゅう)は、釈尊[仏・ブッダ]に始まり、日蓮聖人を宗祖とあおぐ宗門です。そして日蓮聖人が定められた南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)の御題目(おんだいもく)の御本尊に帰依し、一心に御題目をお唱えする信心口唱を修行の根本としています。
当宗がよりどころとする根本経典は、釈尊が最後に説かれ、みずから「これこそ第一の教えである」と宣言された法華経[妙法蓮華経]です。だからこそ、仏さま[釈尊]ご自身がうち立てられた宗旨ということで、佛立宗というのです。
本門佛立宗の「本門」とは、法華経、全28品(章)からなっており、前半(1品~14品)を「迹門」(しゃくもん)、後半(15品~28品)を「本門」(ほんもん)といいますが、その「本門」です。迹門の迹とは「あと」、「影」という意味で、本門の本とは「根本」、「本体」という意味です。本門は根本の仏である本佛(ほんぶつ)がお説きになった教えであり、迹門は、本佛を天の月とたとえれば、池に映った月の影のような仏である迹仏(しゃくぶつ)が説かれた教えである、という違いがあるのです。
日蓮聖人は、後半の本門でも第15品[章]~22品[章]までの8品[章]、すなわち本門八品(ほんもんはっぽん)を独自の経典とされ、釈尊のあらゆる教えの中心とされました。それは、本門八品には、釈尊が亡くなられたのちの2000年以降、すなわち末法(まっぽう)の人を救う御題目と、その御題目を弘める使命を担った上行菩薩[日蓮聖人の前身]のことが説かれているからです。
このように当宗は、本門八品に説かれる御題目を中心とするので、本門佛立宗というのです。
現在、本門佛立宗の寺院や別院は、日本国内に約300ヶ寺あり、アメリカ、ブラジル、オーストラリア、韓国、台湾にも寺院があります。また、イタリア、イギリス、スリランカなどにも信者が増え、その他の地域にも広がっています。