信心改良の秋

清風寺〈令和6年9月『今月のことば』〉「信心改良の秋」

 9月に入りました。ご一同は如何様にお過ごしでしょうか。

 この時季、時候の挨拶では「白露(はくろ)の候」と申します。

 白露とは、露が降り、白く輝くように見える頃という意味です。夜の気温がぐっと下がり、空気中の水蒸気が冷やされ、水滴になって葉や草花につくのです。日中はまだ残暑が続いていますが、朝晩は冷えて、朝露が降り始める時期をあらわしてます。しかしながら、近頃では異常気象が続き、年々暑さも増しており、秋らしさというものも感じることが少なくなったのが現状です。

 そのような状況ではありますが、暦の上では秋に入っていきます。実りの秋です。これまで一年かけて作りあげてきた農作物が実る時季です。この収穫が終わると村の農作業などは閑散期となり、気候もよいという理由から「敬老の日」は9月に設定されたそうです。実りの秋が、収穫物に感謝の気持ちを持ってその恵みを頂戴しなければならない時季であるのと同じように、これまで経験を積みあげてこられた人生の先輩方、敬老対象者に向かって感謝の思いを伝える時季なのです。

 清風寺では9月16日(祝)の朝8時半から敬老式が執行され、その後第2部清興をさせていただく予定です。敬老対象の方は勿論ですが、人生においてもご信心においても後輩となる私たちも参詣し、これまで清風寺を支えてくださった方々に、改めて感謝の思いをお伝えさせていただきましょう。

 また、秋は故人を偲び、ご先祖への感謝を捧げる大切な時期です。清風寺でも9月22日(日)朝参詣に併せて「秋の彼岸会」が執行されます。家族にもその大切さを語り、ご信心を後世へ繋いでいくご奉公の良い機会とさせていただきましょう。

 お互いは日々、御宝前への感謝の思いでご奉公に励ませていただき、お護りをいただくことを忘れてはいけません。そして私たち教務(僧侶)は、そのご奉公に励む人々の心の支えとなれるよう、日々精進してまいります。お互いは、教務もご信者も手を取り合い、悩みや苦しみを抱えた人々に寄り添い、共に歩み、そして希望の光を照らしていく菩薩としてのご奉公を目指して励ませていただきましょう。

 この秋も、皆様とご一緒にお寺という場所を、より良いものにしていきたいと考えています。何かほんの小さなことでも前に進みたい、今までの人生を見つめ直したい、誰かに対して感謝の心でお返しをしたいと思ったなら、清風寺にお参りしましょう。

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