心に水をやりましょう

清風寺〈令和8年4月『今月のことば』〉「心に水をやりましょう―門祖会を目前に、ご信心の改良精進に努めましょう―」

―門祖会を目前に、ご信心の改良精進に努めましょう―

 桜の花が、今年も変わらぬ美しさで私たちの目を楽しませてくれます。この春の光景に触れるとき、理屈を超えた安らぎが心に宿るのを感じます。人も植物も、この地球に共生している証でしょう。

 翻って、現代社会にはAI(人工知能)が溢れ、瞬時に答えが導き出され、効率と利便性が何よりも優先される時代となりました。指先一つで世界と繋がれる一方で、私たちはどこか「心の居場所」を見失い、孤独や空虚感に苛まれているような気がしてなりません。どれほど技術が進化し便利な世の中になっても、私たちの「命の痛み」や「魂の渇き」を癒せるのは、機械ではなく、生きたご信心の力だけなのです。世界における戦争・領土問題・移民問題、先行き不透明な国内の政治や経済等、この混迷を極める現代において、まさに法華経のみ教えは、私たちが進むべき道を示す「羅針盤」です。

 お祖師さまのご時代もまた、天変地異が起こり、疫病が人々を苦しめ、他国からは蒙古が襲来するという混迷を極めた時代であったのです。しかしお祖師さまは、どんなに険しい時代であっても、御題目の光を信じ、お縋りし、口唱を重ねて、自らの心を磨き抜くことの大切さを説かれたのです。情報の波に呑み込まれ、何が真実かを見失いそうになる今こそ、私たちは静かに御宝前に座り、御題目をお唱えし、己の心の奥底にある「仏性」を見つめ直さなければなりません。私たちがお唱えする御題目には、不安に震える心を鎮め、明日へ踏み出す勇気を湧き上がらせてくれるお力があります。効率を求める世の中だからこそ、一見遠回りに見える「お参詣」「御題目口唱」「人助けの菩薩行」という積み重ねが、何物にも代えがたい「徳」となり、私たちの人生を根底から支える揺るぎない力となるのです。

 今月の門祖会をお迎えするにあたり、今一度、自身の「仏性」を見つめ直し、ご信心の基礎工事・土台作りをしていただきたいと願います。

 この強い決意をもって、一人ひとりが日々の暮らしの中で、ご信心の改良を実践していくことが大切です。家族を思い、他を慈しみ、喜びも悲しみもすべて御法に照らして生きさせていただくという真摯な姿こそが、寒々と感じる日常に差す温かな光となるのです。この春、新たな決意を胸に、共に喜びのご奉公に邁進いたしましょう。ご一同の純粋無垢なご信心こそが、心の水やりとなって「仏性」を育て、心にみ仏の花が開くことを切に願っています。

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