他人の幸せが、自分を幸せにしてくれる

令和6年12月 池本良説〈仏教のおはなし〉「他人の幸せが、自分を幸せにしてくれる」本門佛立宗 清風寺

 米アイオワ州立大学のダグラス・ジェンタイル教授らが2019年に行った研究が興味深い。

 496人の大学生を4つのグループに分けて12分間大学構内を歩いてもらい、すれ違う人に対してグループ毎に異なることを心で考えてもらった。

 その中で、自分との比較や優劣を考えた他のグループよりも

「その人が幸せになってほしいと願った」

グループのメンバーが、散歩後に最も幸福度が高くなったことが判った。しかも被験者個人の特徴や性格、能力などの差が結果に影響を及ぼさなかったという。

 さらに、米ヒューストン大学のラッド博士らが2014年に行った研究によれば、利他的な行為の中でも「平和を祈る」「社会貢献をする」といった抽象的な目標の行動よりも、

「他人を笑顔にする」
「リサイクルの量を増やす」

などの

より具体的で実行に移しやすい行動をとった人の方が、幸福度が高い

という結果が出でいる。

 佛立信者が行う菩薩行が、相手だけでなく自分をも幸福にしてくれる行為だということを、科学が証明してくれたのである。

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