御題目の御経力に生かされて

清風寺の合唱団を指揮する中澤さん
中澤 延寿 さん(一番左)

 昨年(令和2年)突然、背中に痛みが走り、あらゆる病院で診てもらった結果、悪性リンパ腫と診断され、入院に至りました。治療は大変なもので、それはそれは辛く苦しい闘病生活となりました。一度目の治療後、あまりの症状の悪さに打ち切りとなり、同時に通院療養に変えてもらいました。

それでも、苦しみは変わることはありませんでしたが、横たわる私の身に、どこからともなく御題目を唱える声が聞こえ、幻聴か現実か判りませんが、すがる思いで毎日私自身も御題目をお唱えしておりました。すると、御宝前様が思いを聞き入れてくださったのか、状態が大きく改善し、6回の治療を必要とするところ何と1回で済み、これには先生も大変驚かれたくらいです。それからは、ホームドクターによる自宅療養に変わり、看護士もつくことになりました。

 そのとき驚いたのは、その看護士はかつて音楽教師時代、合唱コンクール西日本一位になった教え子の一人で、病気になる前にその子達の録音された演奏をずっと聞き続けていましたので、御宝前様が引き合わせてくださったのだと随喜いたしました。

 ただ、改善へと向かっていたと思っていた症状が悪い方へふれ、ガン特有の症状に苦しめられ、食事が満足に摂れず寝たきりの状態となり、次第に衰弱してゆきました。

 このような私をドクターと共に支えてくれたのが、妻でありました。彼女自身も、目眩という持病を抱えながら献身的に看護を続けてくれ、フラつきながらも、朝夕に私の回復を願い、懸命に御題目を唱えてご祈願してくれました。

 しかし、なかなか良い兆しは訪れませんでした。ある夜、私が眠りながら清風寺歌を歌い出したのを聞いた妻は「もう駄目なのかと覚悟した」と、後に話してくれました。

それでも私は苦しみの中でも、御題目のお力におすがりするしかないと力を振り絞り、妻のお看経や他のご信者が自宅に来てはお助行してくださるその声に合わせて、御題目をお唱えしました。私が所属する教区でも皆さんがご祈願してくださっていることも知り、ガン経験者のご利益談を聞いたりすることで、勇気をいただきました。ある夜、夢の中に西村日要御導師が出てきてくださり、笑顔で私に話しかけ、勇気づけてくださったのを覚えています。

 現在は、自宅の御宝前ではございますが、妻と共に朝夕たくさんの御題目をお唱えさせていただいております。家族も一度は覚悟をした一番苦しかった時期は、御題目の御経力をいただいて脱することができたと、随喜しております。私はこれまでにも、脳梗塞をはじめ様々な病気との闘いでしたが、その度に御題目の御経力をいただき、生かされてきたのだと思っております。今後もこの生かされた命で、精一杯御法の護持、そしてその教えが世に弘まるお手伝いをさせていただきたいと思っております。

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