随行・奥山淳正 記
去る1月29日(日)、韓国・鶴松寺にて清風寺第五世 西村日要御導師が導師のもと門祖会が奉修され、併せて韓国で40年ぶりとなる得度式が執り行われました。
40年前の得度者は、この度得度された李(イ)蕙(ヘ)相(サン)師の師匠にあたる鶴松寺現御住職の姜(カン)蕙(ヘ)昌(チヤン)師でした。
不思議なご因縁を感じつつ、清風寺から12名、福岡本法寺から5名の団参と韓国在住のご信者を合わせて約90名の参詣をいただき、厳粛に奉修されました。
なお、1月は韓国にとって最も寒い時期であり、29日早朝の気温はマイナス12度、日中でもマイナス1度という気温ではありましたが、当日は得度者を祝福するかの如く、晴天のお計らいをいただきました。
法要では、始めに「剃髪の儀」として西村日要御導師のお剃刀(かみそり)をいただかれました。続いて、得度者が大きな声でお誓いの言葉を述べられました。
一座法要の後、得度者に僧名が授与され
「蕙(ヘ)相(サン)」
といただかれました。
御法門前に清風寺の御住職より、
「韓国で40年ぶりの得度式を執行されたことは随喜の極みです。教務が一人増えるということは、それだけ御題目で救われる人も増えるということです。今後は、御法のため、ご信者のために、これまでの経験を活かして、韓国のご弘通発展のためにご奉公されんことを大いに期待いたします」
とご挨拶をいただきました。
奉修導師の御法門では
人のいふ 言葉につくな 仏法を 信ずるならば 仏説によれ
の御教歌をいただき、
「迷い苦しんだときほど御法さまにお縋りすること。日々の信心修行でも、体当たりのご奉公でいろいろの問題にぶつかり、どう決断したものかと迷ったときほど御指南を熱心に聞くこと。どういう教えを聞くべきか、聞く時の心構えはどうか、聞いた後の態度はどうすべきか。み仏の教えを中心に、その最善を選べというのが当宗の信心であると心得ることが大事」
と学ばせていただきました。
最後に、集合写真を撮影し、無事に門祖会、並びに得度式が終了いたしました。
得度者・李(イ)蕙(ヘ)相(サン)師の《お誓いの言葉》全文
本日、只今、鶴松寺の御宝前におきまして、大本寺清風寺第五世 西村日要上人ご唱導のもと、門祖会に併せて剃髪得度の式を挙げていただき誠に有り難うございます。 私のこれまでの人生は、日本と韓国を両股にかけて紆余曲折な人生でした。度重なる事業失敗、離婚、周囲の期待に沿えない自分にもどかしい気持ちでいっぱいになり、後悔ばかりでうなだれていました。そんな時、東京遠妙寺の福本清容師のお教化を受け、2020年(令和2年)5月に本門佛立宗に入信しました。 入信後のある日、お寺に参詣し、懸命に「南無妙法蓮華経」と唱えるいると、私の心のモヤモヤが払拭されて、とても幸せな気持ちを覚えました。いいじゃないか。生かされていることだけでも十分幸せじゃないか。今まで「幸せ」を「不幸せ」だと決めていた自分。これからは毎日幸せな自分で生きればいいと、すべてを肯定的に受け入れる気持ちになれました。人間関係上の葛藤やお金の心配が消えて、感謝の気持ちに変わました。自分以外の人の幸せを思う気持ちが起きました。嫌いな人に対しても労わる気持ちが芽生えました。 その後、自分の業・罪障を消滅し、新しく向かうべき人生を悩んでいたところ、韓国鶴松寺の姜御導師から「得度して教務にならないか」と勧められました。思いがけないお言葉に戸惑いはありましたが、もっと仏様の御心を知り、宗教を通して、私ができることは何か、自分の我を貫く人生ではなく、周りの人と共感協調でき、幸福に変えることができ、生きがいを見つけたいという期待が生まれました。 そして、昨年7月1日から約5か月間、横浜妙深寺・大阪清風寺・福岡本法寺にて教務見習いとしてご奉公させていただき、この度、姜御導師より得度のお許しをいただいた次第でございます。 本日以降は、佛立教務としての自覚と責任を持ち、本日の喜びと厳粛な気持ちを生涯忘れず、ご信者ご一同のご期待に一日も早く添えるよう、ご弘通の法器とならせていただくべく、お師匠さまをはじめ先輩お教務のご教導を仰ぎ、行学二道に一生懸命努力・精進させていただきますことを御宝前に謹んでお誓い申しあげます。 2023年1月29日 李 蕙相 合掌