タカラ創業者・吉川秀信翁の信心

清風寺〈令和7年6月『今月のことば』〉「タカラ創業者・吉川秀信翁の信心」

 清風寺参与・吉川秀隆氏は、タカラベルモント第三代目の社長です。吉川家は代々強信者の家系としてその信念を貫いてこられました。今月はそのタカラベルモント初代社長であり、清風寺顧問でもあった吉川秀信翁の偉大な物語を皆さんにご紹介いたします。

 1970年(昭和45年)、大阪万博が開催されました。この時、タカラベルモントは単独で「タカラビューティリオン」を建設しました。

 当時のタカラは右肩上がりの成長を続けていたとはいえ、一社でパビリオンを建てるほどの資金的余裕はなく、社内でも反対の声が上がりました。しかし秀信社長は

「今こそ、世界にタカラの名を轟かせる時だ。会社のお金をすべて注ぎ込んでも、この挑戦をしなければならない!」

と命がけの決断を下したのです。

 結果、この挑戦は大成功を収めました。パビリオン建設・運営に際しては黒川紀章氏、コシノジュンコ氏、横尾忠則氏が手掛け、未来を予見する革新的アイデアは今なお語り継がれる伝説となったのです。

 この輝かしい功績もさることながら、最も注目すべき点は、この大阪万博で見せた秀信社長の信心とその壮大な志です。

 翁は、万博の会場に集う世界中の人々に、法華経の尊い御題目を伝えたいと心から願いました。

「タカラがここまで成長できたのは、信心のお計らいによるものだ。だからこそ、世界中から集まる人々に、この有り難い御題目を届けたい!」

との思いから、社内の猛反対を押し切って、十八世日地上人が清風寺本堂で勤められた朝参詣のお看経を録音し、パビリオン内に響き渡らせたのです。

 館内は、荘厳な御題目の声で満たされ、訪れる約6421万人の心に深い感動を刻みました。今では想像もつかないようなこの挑戦は、奇跡のような成功を収めました。

 これによりタカラベルモントは世界にその名を知らしめ、理美容椅子やデンタルチェアの分野で世界シェア8割を誇る企業へと飛躍しました。

 現在開催中の大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンにも出展参加しています。その背景には吉川家の変わらぬ信心と、どんな困難にも立ち向かう勇気があったのです。創業以来、吉川家一門は毎月欠かさず御講を勤め、その絆と信心を今も守り続けているのです。

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