大人のひと工夫

―4月15日・16日の門祖会・日地上人第三十七回御忌法要には家族そろって参詣を―

 平生、私が懇意にさせていただいている先輩から「いい人を紹介する」と立命館小学校主幹・正頭英和先生をご紹介いただきました。数分後、このいただいたご縁に感謝をすることになります。

 ご紹介していただいた正頭先生は、実は只者ではありませんでした。先生は2019年に、教育界のノーベル賞と呼ばれる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に選出された方だったのです。 世界で約3万件の中から、唯一日本人教員(小学校教員としては日本初)として選ばれた方だったのです。

 先生の気さくで優しい人柄に感動し、お話を聞かせていただくと、またまた素晴らしい目から鱗の内容でした。ほんの一部を紹介いたします。

「この120年間で世間の街並みは変わりましたが、学校の教室は驚くほど変わっていません。学校の環境が変わらないと、先生の教え方は変わらないのです。最近は本当に考えることが嫌いな若者が増えてきたと思います。考えることが好きな大人と嫌いな大人の分岐点は10歳から17歳だと思っています。世界が大きく分断された分岐点が2007年です。スマートフォンが誕生し、インターネットがポケットの中に入るようになったんです。僕たちの時代の学力は、突き詰めれば暗記と計算でした。しかし暗記は特に大したことではなくなりました。インターネットで検索すると一瞬で分かってしまうからです。そんな中、注目されているのが『体験』という教育です。今の時代『やってごらん』ではだめで、子供達にいろんな体験を提供しふれ合うのです。これが子どもの将来に大変有益なものになっていくと考えています。『大人が変われば子どもが変わる』が教育の本質。これは今も昔も全く変わりません」

 以上が先生のお話です。

 私は大変なヒントをいただいた気がしました。私たちの法灯相続にも通じることと思うのです。子供の頃参詣した薫化会のことを忘れない人がいるように「体験・経験」が物を言うのです。お寺でお看経・拍子木・法鼓(太鼓)・お給仕の体験など、どの角度からでも「体験」の提供となり、ご信心への導入となるのです。

「大人のひと工夫、ひと手間が子供達の今後を左右する」

と考え、ご奉公に臨まなければと考えさせられました。

 私たちの「大人のひと工夫」。まずは4月15日・16日の門祖会・佛立第十八世講有日地上人第三十七回御忌法要に、子や孫を連れて「参詣」という体験を、そしてお寺で様々な体験をしてもらえるよう考え、声をかけ、体験を提供していきましょう。

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