増やすよりも、整える——繁栄のための選択

令和8年3月 池本良説〈仏教のおはなし〉「増やすよりも、整える——繁栄のための選択」本門佛立宗 清風寺

 梅の木が美しい花を咲かせ、実を結ぶ背景には二つのリスクがある。

 一つは「エネルギーの分散」だ。

 木は、いつも枝一杯に花を咲かせようとし、均一に栄養を送ってしまう。故に花が多すぎると小さく酸っぱい実ばかりがなってしまい、全体の「質の低下」を招くことになる。

 もう一つは、木が「隔年結果」を起こすことだ。

 今年全力で実をつけてしまうと、木が体力を使い果たし、翌年は全く実がならないという現象が起きる。

 これらを避けるために

つぼみの状態のときに先に間引く=摘花〔てきか〕

という作業が行われる。

 残った花に対し風通しと日当たりを確保し、木からの養分を十分に与え、立派な実をみのらせるためだ。

 ご信心においても

次世代繁栄のために今の花をあえて手放す

 ことも必要だ。

 慢心を起こして、信心をやめようとする者を留めて無理に置いておくと、周りの信者が疲弊し、組に悪影響を及ぼすことがある。

 正しい折伏をして、それでも去っていく者は追わない。

 一時的に信者数は減ったとしても、異体同心を守るほうが却ってご弘通は発展するのだから。

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