令和7年の新春を迎え、心より慶賀申しあげると共に、教講各位の本年中の清祥を祈念致します。
標題に掲げた煥然一新〔かんぜんいっしん〕とは、一目でわかるほどにはっきりと新しくなることをいいます。今、私たちは世界の変化に取り残されることなく、唯一真実のみ教えのもとに、新たなご弘通の道を切り拓いていかねばなりません。
法華経は、どんなに困難な状況に置かれても、決して諦めることはないとお教えくださいます。私たちは法華経のみ教えのもとで困難を乗り越えさせていただく度毎に、卑近な例えですがゲームのレベルアップのように、常に成長し続けることができるのです。
SNSで繋がる現代社会において、法華経に込められた「すべての生命への慈悲」というみ教えが重要さを増しています。この娑婆世界に新たな形の悩み・苦しみが生まれ続ける中、私たちは不軽流のみ教えの中でご信心の筋は決して外さず、異なる価値観を持つ人々とも共存し、お互いを敬い合うことができるはずです。
開導聖人は
弘通には過行方を習はずに 成行末の人機はかれよ
『開化要談 七』日扇聖人全集宗要篇六巻一九一頁
と御教歌にお示しです。
ご弘通を進めさせていただくには、過去に囚われず、これからの時代や人に合わせたご奉公を考えることが大切であると教えていただいているのです。これこそが清風寺の目指すべきお寺の形なのです。だからといって私たちのいただくみ教えが変わることは決してありません。
法華経は、時代を超えて多くの人々がそのみ教えに触れ、心の支えとなってきました。現代社会においてもそのみ教えは多くの人々の心を打ち、希望と勇気を与えることができます。私たちが、若年層や非宗教層に向けて、法華経のみ教えを魅力的に伝えることで、より多くの人々がお寺に親しみ、心の豊かさを感じることができるでしょう。そのためには今の時代に合ったお寺の在り方、一般の方も足を踏み入れやすいお寺づくりを考えていくことが必須なのです。
新年を迎え、そのようなことに考えを巡らせております。