去る10月22日(土)、大阪城の南・真田山丘陵地に位置する真田山旧陸軍墓地にて、秋季慰霊祭が営まれました。毎年この時期に、清風寺の西村日要御導師・西村清良御住職御唱導のもと、戦没者に対し慰霊追悼の誠を捧げ、恒久平和への誓いをこめた追善供養法要を奉修させていただきます。
当山信徒であり、また「真田山陸軍墓地維持会(事務局・タカラベルモント)」理事長でもある吉川秀隆氏・同社社長が祭文を奉読し、「戦争の悲惨さと多くの尊い犠牲があったことを次の世に語り継ぎ、世界の恒久平和に力を尽くす」と誓いました。
明治4年に設立された真田山旧陸軍墓地は、全国で80箇所以上つくられた陸軍墓地の中でも最も古い歴史を持ち、西南戦争より日清、日露、前の大戦に至るまで、戦没将兵一万三千有余の英霊が祀られています。
その他の陸軍墓地の多くが開発や時の経過とともに形状が変わり、戦前の形式を残すものがほとんど存在しない中、真田山陸軍墓地は旧日本陸軍の歴史・文化を後世に伝える遺跡・遺物としても極めて貴重な存在となっています。
真田山陸軍墓地と清風寺とのご縁は古く、昭和29年、時の清風寺御住職・西村日淳上人が慰霊法要をお務めになったことがその端緒となりました。以後長きにわたり、毎年秋の秋期慰霊祭と月一回の墓地回向と清掃を当山所属教務・信者が交代で欠かすことなく行ってきました。
清風寺は、毎年営まれるこの秋季慰霊祭において、国家の危難に際し尊い命を捧げられた英霊を御題目でご回向させていただくとともに、英霊の犠牲の上に成り立つ今日の平和に感謝し、未来恒久平和を祈願させていただくのです。